AIU生が語るリベラルアーツのお話~リベラルアーツは最高に面白いけど、人に説明するのは最高に難しい。~

リベラルアーツの大学国際教養大学生の私が大好きな学びの分野を人に説明するのはめちゃくちゃ難しいと思う話。

台湾に留学して早2か月が過ぎようとしています。(※FBに投稿してたのを今2020年3月にこちらのブログに転載してるため時期がずれてます。本投稿を書いたの2019年10月末頃です。)
謝謝と你好しかわからなかった中国語も簡単な会話だけならできるようなりました。

素敵な友達もたくさんできました!台湾人の友達はもちろん、中国人の友達、カナダ人の友達、日本人の友達、台湾人の友達、台湾人の友達…。あれ?、羅列してインターナショナル感出そうかと思ったけど、案外ほとんど台湾人だった(笑)まあ、そんなことはともかく、一人一人についてその人の魅力を熱く語れるくらい大好きな友達です。本当に人の縁に恵まれる星の下にうまれたことに心から感謝しています。

それからたった2か月にしては自分の学問的関心の幅をぐっと広げることができたのと同時に、パズルのピースがはまっていくように、自分が関心を寄せていたいくつかの異なる学問的観点や概念の間に面白そうな親和性・連関性を見出すことができていて、だんだん絞れつつあります。一言でいうと、「あらゆる非人間的存在(物体+自然)を含めた世界の複数性についての研究と『自然』概念の編みなおし作業」です。
要は、「人間が地球環境に及ぼした影響ってなによ?逆に物体や自然は人間の行為にどう作用しているの?人間はどのように非人間的なものを自分たちとは異質な存在として区別してきたのかな?そもそも、『自然』ってなに?どう定義してきたの?『自然』の見方は一つだけじゃなくて、わたしたちと異なる環境で暮らしている人々はそれぞれの『自然観』があるけど、ある特定の自然観に優位性はあるのかな。なぜ、科学的自然観と原住民の自然観は対等なものとして認識されてこなかったのか?それは、わたしたち現代人が、非人間的なものが人間に与えている影響の大きさ、あるいは「身体性」を軽視してきたからじゃないの?「社会」と「自然」の分化って本当に正しいの?自然の問題も社会の問題として認識してみるってどうよ。100年後に生まれる子供たちに対する私たちの責任ってなに?」というように現代社会の在り方にもろもろの批判的な言説を含む主題です。僕はこれらの疑問を以下の学問領域、概念、理論、見識から深めていきたいと思っています!!

アーレントの複数性と出生の概念(the concept of plurality and beginning by Hanna Arendt)、ハンス・ヨナスの環境・世代間倫理(Hans Jonas's environmental ethics and intergenerational ethics)、ラトゥールのアクターネットワーク理論を基礎にした一連の哲学的議論(Latour's philosophical discussion about Actor network theory, gaia, and cosmopolitics)、カストロパースペクティブ主義(Castro's perspectivism)、ミシェル・セールの自然契約論(Michael Sare's Natural Contract)、社会生態学(Social Ecology)、エコクリティシズム(Ecocriticism)

無理やり一言でまとめるなら「環境人文学」を勉強しています。でも、「環境人文学」って包括的すぎてナンセンスなので、結局、人類学と、政治哲学と、環境哲学と、社会学と文学と…うん、結局説明すんのむずいってなるよね(笑)

さてさて、本題に入ります。

結局、今自分が興味を持っている問題って、まさにリベラルアーツ的な、つまり、多角的なものの見方が必要で、いろんなレンズからものごと見るっていうのがとにかく面白いのです!!理系科目でも文型科目でも、問いをつきつめると、その根底に共通項を持っていたりするのです。例えば、生物学者である福岡伸一の「動的平衡」が西田幾多郎の哲学とシンクロするように。物理学の宇宙のエネルギーの質量を全部プラマイするとゼロになるという計算が大乗仏教の「空の思想」に通ずるように。
共通項の発見だけでなく、それぞれの学問が一つの難題を解くために、それぞれが補完し合い、受け継いだり、応用したり、別の文脈で新しく意味付けしたりするのです。それが上手いと、驚いたり、唸ったりします。

このような様々な学問分野を結び付け、協力させるために、リベラルアーツの精神的な部分、心が開かれていること、好奇心、チャレンジ精神が一役買うと思うのです。

だから、いろんなことに好奇心のアンテナ張り巡らして勉強するのまじで楽しいんですよ。

それでね、世界中から集まってる留学生にあなたの専攻なんですか?って、その学問のどんなところに興味を持っているのか目を輝かせて聞くんですけど、一通り聞き終わったら、逆に聞き返されますよね?

What's your major? って

わたし: Actually, I don't have any specific major.

Aさん: ???

わたし: I belong to Global Studies program

Aさん: ??????

わたし: It's very interdisciplinary.

Aさん: ????????

わたし: Since my home university is liberal Arts college,

Aさん: ???????????

わたし: I have to study various subjects from various academic fields.

Aさん: I see. ???

わたし: .................

(終)