2018-01-01から1年間の記事一覧

教育は全体主義的であるか

ハンナアーレントの研究会で、教育哲学を専攻している若手研究者が全体主義に抵抗するために、アーレントの思想を教育に応用することについて考えていきたいと発表していた(自分もまさにそういうわけでアーレントを勉強している。) その発表後の討論の時間…

結局、「対話」って何?

こんにちは! 時々、哲学カフェのファシリテーター(進行役)をやっているこのブログの筆者です。今回は文体をいつもとガラッと変えて「対話」についてのお話をしたいと思います。 対話の話を始める前に、そもそも「哲学カフェ」とは何をする場か知っていま…

連載 ディストピア学への招待序文

2017年トランプ大統領誕生と時を機に、あるジャンルの小説の売り上げが急増しているのを知っているだろうか。ジョージ・オーウェルの「1984」、オルダス・ハクスリーの「すばらしい新世界」、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」。これらの小説が軒並みアマゾ…

竹田青嗣 『欲望論 第1巻「意味」の原理論』紹介

(シリーズ投稿が頓挫していることはおいといて)今回は今哲学界が大注目している竹田青嗣の「欲望論」(既刊2巻)の紹介記事を書いてみることにした。 著者の竹田青嗣は長年現象学を研究してきた哲学者で現在、早稲田大学国際教養学部教授である。弟子には…

 コミュニケーション論提題 ~コミュニケーションギャップはいかにして生まれるか?~ 

人間の認識の構造を考察した代表的な哲学者にイマヌエル・カントがいる。カントは著書「純粋理性批判」の中で、アンチノミーという概念を提示し、人間の認識の限界をつきつめている。アンチノミー(二律背反)とは、”ある命題とそれに反する命題が互角に成立…